インフルエンザの基礎知識

インフルエンザはよく普通のかぜ(普通感冒)と誤解されますが、ウイルスの種類が異なり、高熱がでるだけでなく、場合によっては重症化、合併症をも引き起こす恐れのある感染症です。 インフルエンザ対策のためにまず、インフルエンザとかぜ (普通感冒)との違いを正しく認識していただくことが大切です。

1、インフルエンザと風邪の違い

インフルエンザと“かぜ”(普通感冒)とは、原因となるウイルスの種類が異なり、通常の“かぜ”(普通感冒)はのどや鼻に症状が現れるのに対し、インフルエンザは急に38~40度の高熱がでるのが特徴です。
さらに、倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状も強く、これらの激しい症状は通常5日間ほど続きます。
また、気管支炎や肺炎を併発しやすく、重症化すると脳炎や心不全を起こすこともあり、体力のない高齢者や乳幼児などは命にかかわることもあります。


▼インフルエンザと“かぜ”(普通感冒)のちがい
 インフルエンザ かぜ
初発症状 発熱、悪寒、頭痛 鼻咽頭の乾燥感および
くしゃみ
主な症状 発熱、筋痛、関節痛 鼻汁、鼻閉
悪寒 高度 軽度、きわめて短期
熱および熱型
(期間)
38~40℃
(3~4日間)
ないか、もしくは微熱
全身痛、筋肉痛、関節痛 高度 ない
倦怠感 高度 ほとんどない
鼻汁、鼻閉 後期より著しい 初期より著しい
咽頭 充血およびときに扁桃腫脹 やや充血
結膜 充血 アデノではある。
咽頭結膜熱では特にひどい。
合併症 気管支炎、インフルエンザ肺炎、
細菌性脳炎、脳症
まれ
病原 インフルエンザウイルスA,B ライノウイルス
アデノウイルス
コロナウイルス
RSウイルス
パラインフルエンザウイルス
インフルエンザウイルスC
迅速診断法 あり 一部のウイルスで『あり』

2、ハイリスクの方

インフルエンザに感染すると、重症化や合併症を引き起こす可能性の高いグループのことで下記の方が当てはまります。

ハイリスク群に当てはまる人は、日ごろから予防を心がけるだけでなく、重症化を防ぐためにも医師と相談のうえワクチンを接種することが望ましいと考えられます。(ハイリスク群に限り、予防として承認された抗インフルエンザ薬があります。)
また、ハイリスク群の方本人だけでなく、ご家族や周囲の方もワクチン接種を含む予防とインフルエンザにかかったら早めの処置をすることが大切です。